矯正後も歯は動く…?
矯正治療では、歯に負荷をかけて動かします。矯正治療を終了すると、負荷から解放された歯は元の場所に戻ろうとします。これは、矯正治療が終了したばかりの顎の骨が安定していないためです。
また、舌で歯を押す癖や口呼吸など、歯並びが乱れる原因を解消できていない場合も、歯並びが再び乱れる恐れがあります。このようなトラブルを防ぐために行うのが「保定」です。
後戻りを防ぐ
『リテーナー』(保定装置)
矯正後の後戻りを防ぐために、リテーナーという保定装置を装着し歯並びを固定します。
リテーナーを装着する期間のことを保定期間といいます。リテーナーは取り外し可能なため、食事や歯磨きなど普段の生活に支障をきたしません。
保定期間
保定期間の目安は、半年~1年程度です。通常、矯正治療にかかった期間と同じ期間がかかります。食事や歯磨きのとき以外は常にリテーナーを装着することをおすすめします。
定期的な経過観察を続け、歯並びが少しずつ安定してきたら、リテーナーの装着時間を減らします。3時間だけ外す、5時間だけ外す、就寝中だけ装着するというように、段階的に減らしていきますので、自己判断で装着時間を一気に減らしてはいけません。
後戻りの原因
リテーナー(保定装置)を正しく使用しなかった
リテーナーを正しく使用しなかった場合、後戻りのリスクが高まります。
自己判断で装着時間を減らしたり、装着を忘れたりすると、後戻りによって再治療が必要になる恐れがあります。
歯並びの悪化を招く要因を取り除けていない
歯並びの悪化を招く要因を取り除けていない場合、少しずつ歯並びが乱れる恐れがあります。
当院では、MFTというトレーニングで舌癖や口呼吸の改善をサポートしております。歯並びや噛み合わせに悪影響を与える要因は次のとおりです。
- 口呼吸
- 頬杖
- 姿勢が悪い
- 横向きで寝る、うつぶせで寝る
- 唇を巻き込む
- 舌で歯を押す
- 指しゃぶり
- 爪を噛む
後戻りさせないための取り組み
定期的なメンテナンス
矯正治療後の保定期間中も、患者さまの歯並びや噛み合わせを定期的にチェックします。保定装置を正しく使用できているか、後戻りはしていないかなどを確認することで、問題の早期発見が可能です。
また、保定完了後も口腔内の健康を維持するために定期検診をおすすめします。