小児ならではの「咬合誘導」とは?
咬合誘導とは、子どもの歯並び・咬み合わせが改善するように育てる考え方のことです。顎の成長を促したり簡単なトレーニングを行ったりと、さまざまな方法を用いて健全な顎の発達を促します。咬合誘導を始めるタイミングを誤ると、咬み合わせが悪くなるだけではなく、お口の機能まで低下する恐れがあります。
そのため、信頼できる歯科医院を受診して、咬合誘導に基づいた矯正歯科治療を受けることが重要です。
咬合誘導で行う主な治療
乳歯は、永久歯が適切に生えるために必要なため、早期に失うと永久歯の歯並びが悪くなる場合があります。もし、乳歯を早期に失った場合は、周りの歯が傾いてきて永久歯の萌出を阻害しないように保隙装置などを使用します。
そのほか、永久歯が正しい位置に生えてくるように乳歯の段階から顎の発達をコントロールすることも咬合誘導の方法です。
プレオルソ
プレオルソとは、歯並びや噛み合わせ、口呼吸などの改善や正しい嚥下、発音の促進を目的としたマウスピース型の矯正装置です。自宅にいる1~3時間と就寝中に装着するだけのため、お子さまへの負担を抑えられます。また、食事や歯磨きのときは取り外せるため、普段の生活を大きく変えることもありません。さらに、金属は一切使用しておらず、柔らかいポリウレタン素材でできているため、金属アレルギーのお子さまにも安心してご使用いただけます。
使用時期は4~9歳です。
メリット
- 弾力性に優れており痛みがほとんどない
- 学校に装置を装着して行く必要がない
- 調整の必要がほとんどないため通院の頻度を抑えられる
- 装置が壊れる心配が少ない
- 装着したままお口の周りの筋肉のトレーニングができるため後戻り予防になる
マイオブレース
マイオブレースは、日中の1~2時間と就寝時に装着することで、顎を広げたりお口の周りの筋肉を整えたりできるマウスピース型矯正装置です。使用する時期は5~8歳頃からで、抜歯の必要はありません。
メリット
後戻りが少ない
歯並びが悪くなっている原因にアプローチするため、治療終了後に後戻りする心配がほとんどありません。
見た目が気にならない
自宅にいるときにのみ装着するため、口元の見た目が気になりません。24時間装着する装置もありますが、比較的目立ちにくいためお子さまの大きな負担にはならないでしょう。
抜歯が不要
早期に治療を開始すれば抜歯をせずに適用できる可能性が高く、大切な歯を守りながら歯並びや噛み合わせを整えられます。
ワイヤー矯正よりも快適
ワイヤー矯正に懸念される痛みや食べにくさ、見た目などの問題がなく、お子さまに大きな負担をかけずに歯並びや噛み合わせを整えられます。小さい頃からマイオブレースで歯並びを整えていくことをおすすめします。
インビザライン・ファースト
マウスピース型矯正装置のインビザラインは、今まで永久歯列が完成していなければ使用できませんでした。インビザライン・ファーストは、乳歯と永久歯が混在している混合歯列期から使用できます。着脱も簡単で、食事や歯磨きに支障をきたしません。
また、薄い透明の素材でできており、口元が気になりにくい点も魅力です。成長過程のお子さまもストレスなくご使用いただける装置になります。
使用時期は、10歳頃です。
メリット
目立たない
お子さまは、周りの子どもと違うことに敏感なため、目立つ矯正装置を使用すると精神面に大きな負担がかかる恐れがあります。インビザライン・ファーストは、透明で薄い素材でできているため、よほど近くから見なければ矯正装置だとは気づかれません。
むし歯になりにくい
歯磨きのときは取り外せるため、磨き残しのリスクを抑えられます。矯正治療中もむし歯にならないように当院では、歯のクリーニングやブラッシング指導なども行っておりますのでご安心ください。
床矯正
床矯正は、顎を広げてスペースを作り、永久歯が正しい位置に生えてくるように促します。装置にネジがついています。このネジを回して装置の大きさを調整できます。
メリット
- 無理な力をかけずに顎を拡大できる
- 取り外し可能なため歯磨きや食事に支障をきたさない
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は、最も長い歴史がある矯正歯科治療です。ほとんどの症例に対応できます。
小児矯正で歯並びを整えている場合、ワイヤー矯正が必要な場合でも負担の少ない治療で済むことが多いです。ブラケットという装置を歯に装着し、ワイヤーで連結させます。口元が目立つのがデメリットですが、当院では審美ブラケット・ホワイトワイヤーを使用することで目立ちにくくなります。